横丁「食」コラム 〜 大学芋とサツマイモ 〜


「大学芋」は、サツマイモを乱切りし、油で揚げ、
砂糖・醤油などで作った蜜にからませ、黒ごまをまぶしたものです。
子供から大人まで、誰もが喜ぶ日本のデザートで、大学芋の専門店があるぐらいです。


この「大学芋」という名前の由来は、

「大正時代から昭和にかけて、当時の大学街で販売され、
大学生たちに大変好まれたから」

「昭和2年頃、東大生が学資に困って売り始めた」


・・・などの説があります。
いずれにせよ、東京の学生たちにルーツがあるようです。



大学芋の話題が出たら、「サツマイモ」のことを外すわけにはいきません。


「サツマイモ」の世界最大の生産地は「中国」
世界生産量の70%を占めています。
日本は7番目程度の生産量。
個人的には、もう少し多いかなと思っていたのでちょっと意外でした。
県別では、言うまでもなく鹿児島県がトップで、以下、茨城、千葉、宮崎が続きます。


サツマイモの原産地は、これも意外なことに、中米の「メキシコ」とされています。
コロンブスがヨーロッパに持ち帰り、ポルトガル人がアジアに伝え、
その過程で中国に定着したということです。



日本では、まず、当時はまだ日本ではなかった
「琉球(現在の沖縄県)」にサツマイモが入りました。
なお、中国の「唐」から入ったこともあって、「カライモ」と呼ばれていたそうです。


そして、1705年、船乗りの前田利衛門という人物が、「鹿児島県山川町」
琉球産のサツマ芋を植えたのがうまくいき、全国に広まっていきました。
なお、山川町にはサツマイモ神社と呼ばれる「徳光神社」があり、前田利衛門が
祀られています。


鹿児島県・山川町役場ホームページ
観光案内の「名所・史跡」に、「徳光神社」の紹介があります。



しかし、日本におけるサツマイモの伝播の第一人者は、
「芋奉行」として有名な「青木昆陽」でしょう。


昆陽がサツマイモを試験的に植えたのは「千葉県」のあたり。
砂地が多く農作物の栽培に適さない土地でしたが、成功すれば、
今後、飢饉の心配をしなくてすむとの先見が込められていました。
そして、見事に成功して、飢饉に苦しむ日本を救ったのです。



再び大学芋の話題。

中国には、「抜絲紅薯(バースーホンスウ)」というデザートがあります。
これは「薩摩芋のあめ炊き」、つまり大学芋と同じようなものです。
ただし、薩摩芋の他に、山芋や果物を使うこともあります。
熱いのをそのまま食べるのではなく、水にくぐらせてから食べるそうです。
日本の大学芋の発案者は、これにヒントを得ていたのかもしれませんね。



余談・・・

中学生ぐらいまでは、自宅でよく大学芋を食べていたものです。
しかし、高校生になると、ほとんど食べなくなってしまいました。
部活帰りで遅くなったり、休日に外出する機会も増えたりで、
外で食事する機会が多くなりましたから。
飲食店で大学芋をメニューに出している店もまずないですし、
あったとしても別のものを選んでいたでしょう。


しかし、歳を重ねるに連れて、つまり最近ですが、また食べだしています。
蜜の甘さとサツマイモの甘さで、味としてはかなりくどい部類に入ると思うのですが、
飽きが来ないのが不思議です。
個人的な嗜好によるものでしょうが、風邪をひいたりして食欲がないときでも、
大学芋だけは入ります。
伝統食というほど古いものではありませんが、
なんだか懐かしい気持ちにもさせてれますよね。


大学芋はスーパーで売っているものしか食べたことがありません。
しかし、私の住む東京にも大学芋専門店があるとのことなので(浅草です)、
今度、ぜひ行ってみたいと思っています。


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