横丁「食」コラム 〜 クスクス 〜


「クスクス」は、「小麦(デュラムセモリナ粉)を原料とした粒状の食べ物」です。
オーストラリアにいる動物を食べるわけではありません。念のため。

大きさは、水で戻した状態でも、おコメの半分程度なので、かなり小さいですね。
コメに比べると、かなりぱさぱさしているので、シチューなどの
汁物をかけて食べると美味しく食べられます。



「クスクス」は、モロッコ、アルジェリア、チュニジア(この3国は「マグレブ」と呼ばれます)
を中心とした北アフリカ一帯でよく食されます。
北アフリカの先住民族である「ベルベル人」が伝えてきた、
数千年の歴史を持つ食べ物で、
日本で言うところの「コメ」のような存在といえるでしょう。


そして、現在ではフランスでもよく食されるようになっています。
北アフリカを植民地化した時代の名残ですね。
サラダに入れるなど、食べ方はかなり変わってきていますが、
フランス人の食生活にしっかりと根付いています。
また、位置的にアフリカに近いこともあって、スペインでも常食されています。


日本では、まだそれほど広まっていないように感じますが、
動物の「クスクス」が有名になったこともあって、
一度名前を聞けば忘れられないインパクトがあるでしょう。


なお、「デュラムセモリナ粉」が原料となっていることからも分かるとおり、
「クスクス」は、「パスタの原形」でもあります。
「粒のパスタ」「世界最小のパスタ」などと呼ばれることもあるぐらいです。



先述した「ベルベル人」ですが、
ベルベル語で「自由人」、
ギリシャ語で「野蛮人」を意味する、北アフリカの先住民族です。
アフリカ大陸の西北端に位置するモロッコでは、
人口の6割を、このベルベル人が占めています。


その起源ははっきりしませんが、けっこうアジア系の顔立ちをした人も多いらしく、
案外、東洋にルーツがあるのかもしれません。
山岳部で昔のままの暮らしを営む人たちの中には、
「蒙古班」がある人もいるとのことです!



「ベルベル人」は、イスラム教が北アフリカにやってくるずっと前から
「クスクス」を食べていました。
しかし、イスラム教徒がやってきてからは、
教徒とならなかった者は、お決まりの迫害を受け、山岳部に移り住みました。
先ほどの「蒙古班」がある方たちの先祖は、こうした迫害を受けた方が多いでしょう。


しかし、アラブ系民族とベルベル人は、おおむねよい関係を築いたようで、
今では、アラブ系のベルベル人が大半を占めています。
そして、「クスクス」はイスラム教の中でも重要な位置を占める食物となっています。



北アフリカは、「イスラム教(スンニー派)」を国教に掲げる国がほとんど。
モロッコ、アルジェリアでは、国民の99%がイスラム教徒です。
そして、「クスクス」はイスラム教の安息日である「金曜日」に食される、
宗教的にも非常に深い意味を持った食べ物とされています。
もちろん、結婚式などの祝い事にも欠かせません。



余談・・・


管理人は、東京・吉祥寺にある「スペイン料理店」で初めてクスクスを食べました。
ビーフシチューがかけられていて、とても美味しかったです。


平皿に盛ってあったのですが、食べた印象は日本の「丼物」に近かったです。
そう、カレーライス的ではなく丼物、つまり「シチュー丼」ですかね。
あと、スプーンで食べるよりも、
丼か茶碗に入れて箸で一気にかっ込みたい気分にもなりました。
スプーンですくえる程度の量だと、あまり、食べでがないんです・・・。


最後に、「クスクス」という名前の由来は、「蒸すときの音」にあるそうです。
聞いた音をそのまま食べ物の名前にする・・・原始的ですが、センスの高さを感じます。
日本には、何かの音がそのまま食べ物の名前になっているものがあるでしょうか。
心当たりがありましたら、BBSなり、メールでご報告を!



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