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横丁「食」コラム 〜 ロックフォール 〜
チーズといえば牛乳や山羊の乳で作ったものが多いのですが、 ここで紹介する「ロックフォール」は、羊の乳で作ったチーズです。 ブルーチーズらしく、青カビがチーズの中に大量に混じっているのも特徴です。 グロテスクにも見えますし、宝石のような美しさを感じる人もいます。
ロックフォールはフランスのチーズです。 作るときは、「ライ麦パンに生えたカビをチーズにうつす」という独特の方法をとります。 最初は偶然の産物だったようですが、 それを世界に名だたるチーズに仕上げていった知恵は、尊敬に値します。
ロックフォールは、「世界三大ブルーチーズ」の一つでもあります。 他の二つは、イタリアの「ゴルゴンゾーラ」、イギリスの「スティルトン」です。 ゴルゴンゾーラは有名ですが、スティルトンは聞き慣れないかも知れませんね。 管理人も名前だけは知っていましたが、まだ食べたことはありません。
これら二つののブルーチーズは牛乳で作るのですが、 ロックフォールだけは、先述したように羊の乳で作るので、 とても貴重な存在と言えます。
ロックフォールは、2000年以上の歴史を誇る、由緒正しきチーズです。 ロックフォールと名乗ることのできるチーズは非常に限定されていて、 フランスはルエルグ地方、コンバルウ山の麓にある 「ロックフォール・シュール・スールゾン」という村の地下に広がる 洞窟で熟成されたチーズのみが「ロックフォール」と名乗れます。
また、使う羊乳もボルドーやプロバンス産のものと指定されており、 徹底した保護・管理がなされているのです。
しかし、これはロックフォールに限ったことではなく、 フランスでは、伝統的な手法で作られているチーズを保護することを目的に 「AOC(原産地統制呼称)」という制度が制定されています。
なお、ワイン、レンズ豆、地鶏などにも同様の制度が適用されており、 フランス産の飲食料品を買うのであれば、 この「AOC」が付与されたものを買えば間違いありません。
AOCは、偽物を防ぐのにとても有効な手段でもあります。 「場所・材料・作り方」など、細かく規定されており、 これを少しでも踏み外したものは、「AOC」ロゴをつけることはできないのです。
ちなみにフランスでAOCを名乗れるチーズは、2004年3月現在で、33種類。 現在、申請中のチーズもあるようです。
ただ、「AOC」だと思って買ったものの、 よく見てみたら「AOG」だった、などということのないように。
この「AOC」という制度、日本でも採用してほしいですね。 もちろん、対象品は厳選しなければなりません。
たとえば、「とんこつラーメン」の「AOC」なんかは、意味がありません。 麺類は、店ごとの味の違いを楽しむものですから。
伝統を守るという観点からすれば、「日本酒」はいいでしょう。 時代に流されることなく、 昔ながらの作り方・原材料を頑固に守り続けているところは、 「AOC」を付与するのに値すると思います。
こうした基準ができれば、買うほうとしても、 ありがたみが違いますし、迷うことがないでしょう。 逆に「AOC」をあえて取得していない名品を探す、 といった新たな楽しみ方もできるでしょう。
もちろん、不利益を被るところも出てきます。 日本酒であれば、AOCを取得できた蔵元のみが利益を得ることになるかも。 生き残ることができるのは、AOC取得生産者のみとなれば、 国内産業の衰退にもつながりかねません。
フランスでも、「AOC法の見直し(より柔軟な方向へ)」を求める声が出ています。 古き良き伝統を守りつつ、新たな産業も開拓していくことは、 どこの国でも困難な命題であるようです。
余談・・・
ロックフォールを初めて召し上がる方。 まず、臭いをかいでください。 かなりきついと感じるでしょう。 何かガス臭くもあり、食べ物の匂いとは思えないでしょう。
一口食べてみましょう。 口中になんともいえない風味が漂います。 「青カビ」には塩気があります。 日本でよく売っているプロセスチーズの味など、微塵も感じられません。
だめな人は、強烈なまでに拒否してしまうでしょう。
「どっかのレストランとかで食べたら大変だった。吐き出すわけにもいかないし」 「ああ、気持ち悪い! 二度と食うか!」 「いい勉強になったよ・・・」(←?)
以上、家族や知人の感想です。
逆に、好きになれば病み付きになります。 ゼロか100か、All or Nothing(←ここまで言うことないか)です。 とにかく、中途半端な味ではありません。
まあ、欧州でチーズに慣れている人たちにはいいでしょうが、 日本人がこれを常食にするのはかなり厳しいかと。 値段も高く、通常100gで1000円以上します。 高級な牛肉と同じ値段です。
でも、管理人は、一日数口ではありますが、 夕食の時に食べるのが癖になりつつあります。 チーズ全般に言えるでしょうが、 クラッカー系のものに乗せて食べると、風味が抑えられて、食べやすくなります。
お金の無駄になってしまう可能性もありますが、 ちょっと変わったものに挑戦したい方はぜひお試しあれ! |