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横丁「食」コラム 〜 甘酒 〜
管理人は体質の関係で、酒類はあまり飲めません。 スポーツした後の飲み会などで、仲間がビールやカクテルを注文する中、 一人で「ジンジャーエール」、「オレンジジュース」、「小さな魔法(by白木屋)」などを コールしています。
そんな私ですが、甘酒はなんとかいけます。 特に、「酒粕」を使っていないものはアルコール分がないので、 全く大丈夫です!
甘酒ができる仕組みは、こんな感じです。
1.酒粕を使う方法 一般的な方法ですね。 麹を使う方法に比べて手間がかからないため、 現在では主流となっています。
酒を製造する過程でできる「酒粕」を水で煮込めば甘酒となります。 そのままではくせが強く、味付けとして砂糖が必要不可欠です。
アルコールも少し含まれていますが、管理人でもなんとか大丈夫です。 コップで2杯ほど飲むと、なんだか気持ちよくなってしまいますが・・・
この酒粕にも種類があり、「板粕」と「踏込み粕」に分けられています。
酒は、まず「米・麹・酵母・水の混合→発酵」という過程を経て「もろみ」を造ります。 次に、「もろみ」を絞ると、液体が出てきます。 この液体が「酒」です。
そして、「もろみを絞ったときに残ったしぼりかすが酒粕」なのです。 この状態の酒粕を「板粕」と言い、甘酒にはこれが使われます。
「板粕」をタンクに踏込み、空気を抜いて4ヶ月ほどおくと 麹の糖化作用により柔らかくなって味が濃くなってきます。 これを「踏込み粕」といい、漬物に活用されます。 鮭の粕漬けには、この踏み込み粕が使われます。
2.麹、蒸米、水をつかったもの
麹と米のみで、自然の甘味が発生します。 酒のしぼりかすを使うわけではないので、ノンアルコールです。
巷で販売されているものは、 パックに米粒のようなものが入ったものが中心です。 本格的なものだと、瓶詰めになっているものもあります。
いずれも温めるだけで飲める状態になっており、 砂糖を加えるまでもなく、甘みもよくでています。 しかし、その状態にもってくるまでには、かなりの手間と時間がかかっています。 真面目に作れば、最低でも3日はかかります よって、酒粕を使う方法に比べて、販売量はそれほど多くありません。
なお「白酒」とも呼ばれることもあります。 ただし、「雛祭り」で出てくるアルコール入りの白酒とは違います。 これは、「焼酎にコメと麹を漬け込んで造る」ものです。 今では、雛祭りで飲まれるもののほうが一般的で、 甘酒を白酒と呼ぶことは、あまりありません。
次は、甘酒の歴史についてです。
甘酒の前身には、当然のことながら「酒」があるわけですが、 ただ酒を造るだけでなく、 「麹のみを糖化させてみる」、「酒粕を溶かしてみる」など、 様々なことが試されてきました。 それが発展して、一つの飲料として昇華したのが「甘酒」なのです。 ある意味では、人間の遊び心が生んだ副産物といえるかもしれません。
ちなみに、大昔は、 「麹を口に含んで、唾液のみで甘みを出す」といったこともなされていたようで、 これが酒の原点とする説もあります。
甘酒の原点は、「中国」にあります。 中国では酒を「神を祭るお酒」、「人が飲むためのお酒」の2種類に分けており、 甘酒は、神を祭るお酒の部類に入ります。 アルコールが入っていないため、神事にふさわしいとされたのでしょう。 日常的に飲まれるようなものではなかったのです。
日本には、遅くとも「日本書紀」が編纂された時代には伝わっていたとされています。 つまり1200年以上前のことです!
庶民の口に入るようになったのは江戸時代からのことです。 当時は「甘酒売り」がおり、日本各地で行商されていました。 一杯四文ということですから、現在でいえば40円ぐらいでしょうか。 当時は「夏の風物詩」として定着しており、 夏場の「健康飲料」として有名で、人気を博していました 「冷やし甘酒」というのが、当時人気のあった売り方です。
栄養的に見ると、「ブドウ糖、アミノ酸、ビタミンB」が豊富で、 疲労回復に有効だそうです。 「夏ばて対策」として重宝されていたわけですね。
酒粕には、もともと糖分、タンパク質、ビタミン、繊維質などが多く含まれており、 高栄養飲料となるのも当然でしょう。
現在は、「夏に甘酒・・・」という方は、あまりいないのではないでしょうか。 夏場の飲料は、各種の清涼飲料水、スポーツドリンク、ビール、 あるいは栄養ドリンクなどにとってかわられています。
しかし、人気が衰えたわけではなく、 冬場の飲み物として新たな地位を築き上げています。 温めた甘酒が与えてくれる「ほっ」とする感覚は、他では得がたいものです。
夏であろうが冬であろうが、栄養価に変わりはないので、 「夏ばて対策」から「風邪予防」という面にスポットライトを当てれば、 さらに人気が増すでしょう。
余談・・・
管理人は、毎年、大晦日の夜になると、 幼なじみとつるんで、近所の八幡様で年を越します。 小さな同窓会みたいなもので、とても楽しみにしています。
その八幡様では、年越し参拝客をあてこんだ屋台が数多く出るのですが、 そこに甘酒の屋台もあります。 粕をふんだんに使った甘酒で、飲むと同時に粕を食べる感覚も味わえます。 真冬の深夜にふるまわれることもあり、熱々です。
管理人の甘酒の原体験はここにあります。 このコラムでは、「もともとは夏場の飲料・・・」ということを書きましたが、 管理人にとっては、真冬の思い出飲料に他なりません。
他の場所で飲んだり、買ってきて自宅で飲んだりもしますが、 この大晦日の甘酒にかなうものはありません。 |