横丁「食」コラム2 〜 日本の食料自給率 1〜


「自給自足」という言葉があります。
平たく言えば、「自分が食べるものは、自分で作る・獲る」という考え方です。
人類の原点は、もちろんここにありました。
農耕・狩猟で生活を営んでいた時期ですね。


このコラムで話題としている「食料自給率」は、
この「自給自足」をどれだけ達成できているかを測るうえで、
もっとも分かりやすい指標といえるでしょう。
ただし、「個人」ではなく、「国」を対象にした考え方となりますが。


「食料自給率」を割り出すための基礎となるのは、

 「自国でどれだけの量の食料を作り出しているか」
 「他国からどれだけの量の食料を輸入しているか」

・・・という、以上の二つの行為です。
本当はもっと複雑ですが、詳細は後半に。



「食料の確保」は、ハイテク技術をもって生活を成り立たせている先進国であっても、
決して軽視できない命題です。

人間は、食料なしでは生きていけません。
食料を自給できない国は、他国からの輸入に頼ることになります。
よって、食料を供給してくれていた国が危機に瀕したり、
互いの関係が悪化したりすれば、食料をもらう側の国は、たちまち困窮してしまいます。

そう、貨幣経済上どんなに豊かであっても、
食料が貧弱であっては、真の意味で豊かな国とはいえないのです。



そして、よく知られていることですが、食料を自給できていない国の典型が「日本」です。
「食料自給率」は、わずか40%
試算を始めた「1960年度・79%」から年々下がり続けています。
海外からの手助けを一切断ち切ると、6割の人が飢えてしまうことになります。
あるいは、現在の4割のカロリーしか摂れなくなります。
つまり、一日一食程度になると思えばよいでしょう。


「穀物自給率」という統計もあり、こちらは25%。
こちらから見ると、2000年時点で世界175か国中、128番目。
経済協力開発機構(OECD、先進国中心)30か国のうちでは、
29番目で、最低のレベルとなっています。
サウジアラビア(同22%)やモロッコ(同24%)などの、
「砂漠の国と同等の自給率」となっています。


これは、コメは、今も昔もたくさん作っているのですが、
ラーメン、パスタ、パンなど、
「小麦(ほとんど輸入)」を原料とする食品もよく食べるようになったため、
穀物自給率が低くなってしまっているのです。
逆に言えば、日本人がコメばかり食べていれば、自給率は上がるわけです。


こうした状況を鑑みると、
外務省を筆頭にして行なわれる「食料外交」は、まさに死活問題。
日本は、先進国とはいえ、強い態度に出られるような国ではなく、
色々な国と良い関係を保っていく必要があります。


逆の例としてあげられるのが、「アメリカ合衆国(米国)」です。
米国は、世界中で積極的に活動しており、反発も少なからずかっていますが、
たとえ孤立したとしても、食料はどうにでもなります。
米国に行き、広大なトウモロコシ畑を見れば、それが分かるはずです。


もちろん、現在の国際社会において、わざわざ孤立の道を選ぶ国はありませんが、
いざ何かあったときは、自国の農業で国民を支えていける・・・
そういう国は強いのです。



では、日本には食料大国への道は開けていないのでしょうか?
それについては、食料自給率がここまで低下した原因と併せて、
次ページで述べます。



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