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横丁「食」コラム2 〜 砂糖事情 2〜
日本における砂糖の歴史
砂糖は、奈良時代にインドから中国(唐時代)を経て、日本に伝播したとされています。 当時は大変貴重な品だったので、「薬」として使われていました。 どんな病気に効いたのかはよく分かりませんが・・・
ちなみに、インドでは、紀元前にすでに食されていたとのことです。 インドといえばカレーというイメージがありますが、 甘いものに関しても進んでいたようです。
時代が進み、海外から菓子が輸入されるようになると、 砂糖も同時に輸入されるようになり、日本でもお菓子作りが始まります。
ちなみに、砂糖が入るまでは「果実類」が菓子の役割を果たしていました。 今でも、菓子を作る際には「柿」の甘さを超えないようにという原則があり、 昔の日本人は、甘さに対する欲求を果物で満たしていたのです。
そして、日本で初めて自前の砂糖が製造されたのは、17世紀初頭のこと。 「奄美大島」にその原点があります。 「直川智」という人物が現在の「黒砂糖」にあたるものの開発に成功したのです。 そして、徳川吉宗、新井白石といった人たちが「製糖奨励策」を打ち出し、 全国的に製造・消費が広まっていきます。
しかし、明治維新により海外から「白砂糖」が入ってくるようになると、 黒砂糖の人気は落ち、沖縄のみで生産が行なわれるようになりました。 その後も、日本全国で製糖業そのものが衰退していき、 現在では砂糖の自給率は30%前後にとどまっています。
一方で、「和三盆」などのブランド砂糖は人気を盛り返しており、 日本における砂糖の歴史に、新たな流れが刻まれつつあります。
砂糖業界について
現在の日本において砂糖は、ビジネス商品としての価値を確立しており、 いくつもの企業が売り上げを競っています。 現在のシェア順位は、 トップから「新三井製糖」、「大日本明治製糖」、「伊藤忠製糖」となっています。 会社名はご存知の方が多いでしょう(伊藤忠が砂糖まで扱っているのは、意外でしたが)。
世界の砂糖生産における「アジア地域のシェア」はかつての5分の1から3分の1に拡大し、 消費においては25%程度だったのが、ほぼ40%に達する地位を獲得しています。 これは、中国やインドの人口増加が、何よりも大きな要員となっています。 この2国だけで、20億以上の人口を抱えていますからね。
では、アジアにおける砂糖業界が安泰かというと、そうともいえません。 業界内の競争が厳しいのも、もちろんありますが、 それ以上に、現代社会における「健康意識の変化」が業界を圧迫しています。
現在では、「ノンシュガー」なる言葉が日常語として使われています。 糖分を極力控えて製造された飲食品類に対して、よく用いられる言葉ですが、 砂糖を販売している人にとっては、聞きたくもない言葉でしょう。
成人の一日の糖分摂取量は「20g以内」が適当とされています。 逆に言えば、病気でもしていない限り、この範囲であれば摂取してもいいはずなのですが、 極端に摂取を控える人が出てきています。
その原因の一つは「ダイエット」の流行にあります。 人間が太るのは糖分だけが原因ではないのですが、目の敵にされてしまっています。 現在では、食品全体の「カロリー摂取量」からダイエットを見つめていく考えが浸透しつつあり、 ダイエット中にケーキやジュースを食べる方も増えていますが、 まだまだ「甘いもの」に対する敵対意識(おおげさ?)は消えていません。
また、「糖尿病」という言葉もいけません。 この病気は、すい臓で作られる「インスリン」というホルモンが不足し、 血糖値を調節できなくなった結果として、起きるものです。 原因は、糖分の取りすぎではなく、 暴飲暴食、運動不足、ストレス、遺伝などが絡み合って起きるものなのです。
ただ、人間の心理として「糖」という言葉が出ていれば、 そこに注目が集まってしまうのは仕方のないところでしょう。 飲食に関連していて、分かりやすい言葉ですし。
国によっては、「砂糖使用を控えたことを示す表示」、「糖分の含有量の表示」などを 義務付けるところも出てきていますが、 これは、肥満、成人病、虫歯などを減らすためのものです。 こうした動きも砂糖の敵視につながっていると言えるでしょう。
以上のように、砂糖を取り巻く環境は決して優しいものではありませんが、 砂糖は、人間が力を出すうえで必要不可欠なものです。 楽器の演奏者の中には、砂糖を一掴み食べてから演奏に臨む人もいるぐらいで、 すぐにエネルギーに変わってくれます。
ダイエットをしている方でも、適量をとることをおすすめします。 ダイエットには運動が大事ですが、運動には糖分が必要です。 低血糖状態では、運動もままならず、効率のよいダイエットは望めませんからね。 |